試合概要
2025年2月24日、Prime Video Boxing 11 にて
那須川天心 vs ジェイソン・モロニー(元WBOバンタム級チャンピオン) の試合が行われた。
まず、簡単に自己紹介させてほしい。
私はフルタイム勤務の会社員をしながらプロボクサーとして活動し、A級ライセンスを取得、日本ランキング入りを果たした経験がある元ボクサー だ。
この記事では、那須川天心がなぜジェイソン・モロニーに苦戦したのか、試合を観戦した感想を交えながら分析していきたい。
ジェイソン・モロニーの強さについて
那須川天心が苦戦した最大の要因は、モロニーが世界トップクラスのボクサー であることだ。
元世界チャンピオンという肩書きを持ち、戦績を見ると3敗しているが、その敗戦相手はいずれも世界的な強豪ばかり。
- 井上尚弥(バンタム級世界4団体統一王者、スーパーバンタム級世界4団体統一王者、世界4階級制覇王者)
- 日本が誇るスーパースター「モンスター」
- エマヌエル・ロドリゲス(元IBFバンタム級チャンピオン)
- WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)で井上尚弥と序盤互角に戦った強豪
- 武居由樹(元WBOバンタム級チャンピオン)
- モロニー、比嘉大吾と世界強豪に連勝を収めている
このようなトップレベルの選手と戦ってきたモロニーは、間違いなく世界屈指の実力者だ。
那須川天心が苦戦した理由
モロニーの試合を武居戦しか見たことがない人の中には、「天心の圧勝」と予想していた人もいただろう。
確かに、武居戦ではサウスポー相手に距離を潰すのが苦手な印象を受けた。だが、今回の試合ではその課題を克服し、第1ラウンドから距離を詰めてポイントを先取することに成功 していた。
試合の中で、天心があわやダウンかと追い込まれる場面もあり、モロニーの健闘が光る試合だった。
モロニーがこのような戦い方をできた理由として、武居との対戦経験が大きく影響した 可能性が高い。
- 武居の強打により距離を詰められなかったが、今回は天心にそこまでのパンチ力がないため、距離を詰めやすかった。(武居選手の強打を経験しているため)
- サウスポー対策を武居戦で学び、経験を積んでいた。
もしモロニーが武居との試合を経験していなければ、もっとスコアに差がつく展開になっていたかもしれない。
那須川天心の現在地
モロニーに苦戦しながらも明確に勝利を収めた ことで、天心が世界王者になる実力を持っていることは間違いない。
しかし、現在のバンタム級戦線は非常に厳しい。
- WBCバンタム級チャンピオン:中谷潤人
- 圧倒的な強さで勝ち続け、現在のバンタム級最強との呼び声も高い。
- WBAバンタム級チャンピオン:堤聖也
- 井上拓真、比嘉大吾といった強豪を連続で退ける。
- IBFバンタム級チャンピオン:西田凌佑
- 抜群の距離感と鉄壁のディフェンス能力を誇る。
- WBOバンタム級チャンピオン:武居由樹
- モロニーを破り、比嘉大吾にも勝利。
このような選手たちと戦うのは簡単なことではなく、那須川天心にとって次戦の相手が重要になってくる。
次戦は世界タイトル挑戦ではなく、世界ランカーとの試合となる可能性も高いが、もしタイトルマッチとなれば中谷潤人(WBC王者)VS西田凌佑(IBF王者)の統一戦が示唆されているためWBA王者・堤聖也、またはWBO王者・武居由樹との対戦 になるだろう。
那須川天心 vs 武居由樹は実現するのか?
やはりファンが最も期待するのは、キックボクシング時代から因縁がある武居由樹との対戦 だ。
- 那須川天心がスピードとディフェンスで完封するか?
- 武居由樹の強打が炸裂するか?
この試合が実現すれば、どちらが勝ってもおかしくない激戦になることは間違いない。
あえて予想するならば、那須川天心の判定勝ち ではないかと私は考える。
- モロニー戦でも見せた抜群のディフェンス能力により、KO負けは考えにくい。
- ポイントを取る能力が高く、判定で勝つ可能性が高い。
とはいえ、武居の強打が炸裂すれば、一発で試合が決まる可能性も十分にある。
あなたはどう思いますか?
武居 vs 那須川天心、どちらが勝つと予想しますか?
ボクシング業界は、那須川天心の活躍や、井上尚弥、中谷潤人の試合など、ますます熱くなっている。今後の日本ボクシング界に注目していきたい!
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