まずは簡単に自己紹介させてほしい。 私はフルタイム勤務の会社員をしながらプロボクサーとして活動し、A級ライセンスを取得、日本ランキング入りを果たした経験がある元ボクサーだ。
先日、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人が3度目の防衛戦でダビド・クエジャル(メキシコ)を相手に見事3回TKO勝ちを収めた。しかし、その試合で右耳の鼓膜を負傷していたという。
「たぶん、右耳の鼓膜が破れた」中谷潤人、3度目防衛の“代償”も「全然大丈夫」…西田凌佑と統一戦6月にも実現へ
スポーツ報知さんの記事より引用
耳の鼓膜が破れるとどうなるか?
知識や経験がない人にとっては、すごく気になる部分だと思う。
- 聞こえなくなる?
- 痛い?
- 治るの?
などなど。
私もプロボクサーとして活動していた際、試合中に右耳の鼓膜を破ってしまった経験がある。その試合では、序盤から優勢に試合を進めていたが、ダウンを奪った直後に一気に仕留めようと攻めに出た。しかし、焦りが出たのか防御が甘くなり、相手の左フックを受けてしまった。その瞬間、右耳に強い衝撃を感じ、直後に耳鳴りが響き始めた。試合の流れを見極めながらも、『これは鼓膜が破れたかもしれない』と感じつつ、冷静に戦い続けたことを覚えている。 今回は私の経験をもとに、以下の内容について話そうと思う。
- 耳の鼓膜が破れたらどうなるか?
- 治療の期間と方法
- 鼓膜が破れている間に気を付けること
耳の鼓膜が破れたら聞こえなくなる?
結論から言うと、意外と音は聞こえる。通常時が10だとしたら、7くらいは聞こえていた。
鼓膜が破れた瞬間は、音が鳴り響く。私の場合、電車が駆け抜けているような 「ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン」としばらく耳鳴りが聞こえていた。
人によっては、急に大雨が降ってくるような音が聞こえたり、 耳に水が入ったような違和感を感じたりすることもあるようだ。
私の場合は、相手の左フックをオープンブロー気味で耳に受けたことで破れたと認識している。
補足:オープンブロー ⇒ (拳が握られず、平手打ちのような状態)
破れた瞬間の痛みについては、特に強かったというわけでもなく、 「え? これ鼓膜破れたかも?」と思うくらいで、私は結構冷静だったのを覚えている。 (冷静だったのは、自分が試合を優勢に進められていたからかもしれないが……)
そのラウンドが終わって次のラウンドに行くころには、耳鳴りはかなり軽減し、ほとんど気にならなくなっていた。
治療の期間と方法
試合が終わったあと、耳鼻科を受診すると、まず聴力検査を行う。 私の場合、破れていない耳と比べると7割くらいしか聞こえていないという状況だった。 ※自分の感覚に間違いはなかった(笑)
飲み薬を処方された(自然治癒でも治るようだが)、2週間ほど薬を服用すれば回復。 再び聴力検査を行い、正常であることを確認し、治療終了となった。
鼓膜が破れている間に気を付けること
鼓膜を負傷中に一番つらかったのが、鼻を強くかめないことだ。 私は慢性的に鼻炎であり、普段からよく鼻をかむ習慣がある。
しかし、鼻をかむ際に強くかんでしまうと、耳に負担がかかり、せっかく修復されかけていた鼓膜が再び破れてしまう。
私は一度、うっかり強く鼻をかんでしまい、耳から「プシュー!!」と空気が通る音がした。 その音と同時に、少し聴力が落ちたのを感じた。 おそらく、治りかけていた鼓膜がまた破れたのだろう。
鼓膜が破れた際には、鼻を強くかまないことが重要だ。また、耳をむやみに触らず、水や異物が入らないように注意しよう。シャワー時には耳栓を使用するのも一つの方法だ。日常生活でも急激な気圧変化を避けるために飛行機の搭乗時や高所への移動時には慎重になるべきだ。
まとめ
ボクシングでは、鼓膜が破れることは珍しいことではないが、正しい知識を持っていれば適切に対処できる。もし鼓膜を負傷してしまったら、焦らず、翌日にでも医師に診てもらうことが重要だ。少しでもこの記事が参考になれば嬉しい。
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