【ボクシングの採点ルールを知って、観戦をより楽しもう】

ボクシング

近年、ネット中継や配信サービスでボクシングが放送される機会が増えています。特に井上尚弥チャンピオンや那須川天心選手の活躍をきっかけに、ボクシングに注目する人が増えてきました。彼らの試合を観る中で、「判定がどう決まるのか分からない」「なぜこの選手が勝ったの?」と疑問に思うこともあるでしょう。

現在、ボクシングの試合は Amazon Prime Video、DAZN、ABEMA、FOD、U-NEXT などの配信サービスで観戦できます。これらのサービスを活用すれば、世界中の試合を手軽に楽しめます。

そこで、あらためてボクシングの採点ルールを解説します。ボクシングに詳しくない方でも、この記事を読めば判定の成り立ちや観戦の楽しさが分かるようになるでしょう。

試合のラウンド数(4回戦~12回戦の成り立ち)

プロボクシングの試合は、対戦選手のキャリアや試合の重要度によって、ラウンド数が異なります。

  • 4回戦(4R)
    • 主にデビューしたばかりの選手が戦う試合。
    • 若手の実力を試すための登竜門的な位置づけ。
  • 6回戦(6R)
    • 4回戦を勝ち抜いた選手が経験を積むために行う。
    • 徐々にスタミナや戦術が問われる試合になる。
  • 8回戦(8R)
    • 実力が認められた選手が、ランキング入りを目指す試合。
    • 戦略や試合のペース配分がより重要になる。
  • 10回戦(10R)
    • 日本ランキングや地域タイトル戦などで行われる。
    • 選手はさらに高いスタミナと戦略を求められる。
  • 12回戦(12R)
    • 世界タイトルマッチや重要な試合で採用される。
    • 長丁場の試合で、精神力や戦術の完成度が試される。

かつては15回戦制も存在しましたが、選手の安全面を考慮し、現在では12回戦が上限となっています。

採点の基準

ボクシングの採点では、下記の3つの要素が優先順位を持って評価されます。

  1. 有効打 (クリーン・エフェクティブ・パンチ)
    • より相手にダメージを与えたパンチ が重要。
    • 軽いジャブを何発も当てるよりも、相手に大きな影響を与えるパンチを当てた方が高評価
    • ただし、一発の強打だけではなく、ラウンドを通してよりダメージを相手に与えていたかを見る。
  2. 攻撃の主導権 (リングジェネラルシップ)
    • どちらが試合のペースを支配していたか。
    • 例えば、「前に出てプレッシャーをかけていた選手」だけでなく、「後ろに下がりながらでも、試合をコントロールしていた選手」も高評価される。
    • 無駄に動かされていたのか、それとも意図的に動いていたのか? が判断のポイント。
  3. ディフェンスの評価 (ディフェンス・エフェクティブネス)
    • 攻撃をもらわず、さらに有効な攻撃につなげられているか
    • ただガードを固めて攻撃を防ぐだけでは不十分。ディフェンスから反撃できているかがポイントになる。

採点方法

上記の基準をもとに、各ラウンドごとに優勢な選手に10点、劣勢な選手に9点をつけるのが基本です。ただし、ダウンを取られた場合は8点となります。

また、反則による減点がある場合、1ポイントの減点が加えられることもあります。さらに、両者がダウンを奪い合った場合は、お互いのダウンポイントが相殺され、結果的に通常の採点と変わらず優勢な選手に10点、劣勢な選手に9点とになります。

実際の採点例(4R制)

試合展開と採点

1R

・A選手が積極的に前に出るが、B選手のカウンターが有効にヒット。

・有効打のダメージではB選手が上回る。

B選手 10-9 A選手

2R

・A選手が手数を増やし、連打でプレッシャーをかける。

・B選手はカウンターを狙うが、クリーンヒットが少ない。

A選手 10-9 B選手

3R

・A選手が攻勢を強めるが、B選手がカウンターの右ストレートでダウンを奪う!

B選手 10-8 A選手(ダウンがあるため)

4R

・A選手が挽回を狙い、積極的に攻める。 B選手は防御を固めつつ、カウンターで的確に応戦。

・全体的にB選手のディフェンスとカウンターが光った。

B選手 10-9 A選手

最終スコア

ラウンドA選手B選手
1R910
2R109
3R810
4R910
合計3639

この場合、B選手が3ポイントリードで勝利することになります。

このように、実際にラウンドごとの採点を意識して観戦すると、試合の流れや判定の理由がより理解しやすくなります。

ボクシングの採点の面白さと難しさ

ボクシングの採点には面白い点や難しい点があります。その一つが、ダメージの違いがあっても同じ1ポイントの差で評価されることです。

例えば、

  • あるラウンドでは、片方の選手が大きなダメージを負ったがダウンはしていない。
  • 別のラウンドでは、それほどのダメージはないが、やや一方の選手が優勢だった。

このような場合でも、基本的にはどちらのラウンドも 10-9 の採点になります。これは、試合を通しての合計ポイントで勝敗が決まるため、ラウンドごとの微妙な差をどのように評価するかが重要になるからです。

また、ジャッジによって**「どの要素をより重視するか」**が若干異なるため、同じ試合でも微妙に違った採点結果になることもあります。これがボクシング観戦の奥深さであり、判定に対する議論が尽きない理由の一つです。

こうした要素を理解しながら、自分で試合の採点をつけてみると、ボクシング観戦がより楽しくなるでしょう!

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